理想の都市ってどんなだろう?
今回紹介するのは、あの『バッテリー』でもおなじみのあさのあつこ先生の作品『NO.6(ナンバーシックス)』です!
『NO.6』
文庫版、単行本ともに#1~9と外伝『NO.6 beyond』が刊行されています。(画像は文庫版)
一冊はだいたい200ページくらい。
もとは小中学生向けに刊行された作品なだけあって、読書が苦手な子でも読みやすい文体です。
また、SF作品ですが難しい専門用語なんかは出てこないので気負わず、安心して読むことができます!
ここをチェック!作品のみどころ
題名の『NO.6』ってなに?と思った人もいるのでは?
「NO.6」は主人公・紫苑の住んでいた都市の名前。
他にも「NO.1~5」まで都市があるってことですね。
この「NO.6」は理想都市、聖都市とも呼ばれる、「ゆりかごから墓場まで」が約束されるだけの医療・教育などが発達している都市です。
その一方で「市当局」によって完全に管理された都市でもあります。
作品を読んでいると「NO.6」という存在を信じ切っていた紫苑が「NO.6」から出たことで、その真相を知っていく様がまざまざと感じられます。
無邪気で素直な紫苑と現実を見せつけてくるネズミ。
相反する二人は時にケンカし、時に助け合い、影響され合います。
登場人物の心情にぜひ注目して読んでみてください!
ちなみに作品のが設定は2013年から始まりますが、作品のジャンルとしては近未来SFになります。
第1巻(単行本)が出版されたのが2003年なので、当時から考えると約10年後の未来のお話だったんですね。
さらに物語が進み、このシリーズの中心となるのは紫苑とネズミが出会ったのが4年後……つまり紫苑が16歳の頃のお話なんです。
自分と同世代の主人公だから共感できるところもある反面、まったく違った境遇でやるせない気持ちにも……。
近未来SFならではの「登場人物目線」がしやすい感じがしますね。
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実はこの作品、私が小学生の時に出会って、中学生、高校生になっても読み続けたものなんです。 何度も読みたくなるような生き生きした登場人物たちと素敵なセリフが魅力的です☆ 作中にはNO.6の名言と呼ばれる言葉も数多くあり、私も心にグッとくるものがいくつもありました!皆さんもぜひお気に入りのセリフを探してみてください! |
メディアミックス情報
この作品はアニメ化、漫画化されています。
『NO.6』の世界観がそのまま映像になって広がっています。
映像美はもちろんですが、作中の歌などに要注目です!
迫力あるマンガで『NO.6』の作品を楽しめます。
売り切れ多数で紙の書籍はもうあまり手に入らないようです……。
代わりに購入できる電子書店は充実しています。
その一言を深く考えて……
この作品をはじめて手に取った時の衝撃が忘れられません。
子供ながらに、信じていたものに裏切られる感覚、過信してしまうことの愚かさ、自分さえよければすべて良い精神の悪なんかについて考えたような気がします。
それだけ影響力のある作品だと思っています。
私の思う、10代の頃に読んでおくべき、読んでいてよかった作品のひとつです。まだ読んだことのない人はぜひ!
この作品は、全国の書店、Amazonなどで購入することができます。
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